ベルばらの作者、池田理代子先生は劇作家にとどまらず幅広い活躍をなさっている。オペラ歌手の道を選ばれたときは「なんとゴージャスな。ぴったりじゃないですか」と突っ込んだものだ。実際牡丹の花のような華やかないでたちの先生と日比谷で遭遇したときは「歩く姿は百合、というのは嘘ね」まじまじと見惚れてしまった。

原作をお描きになっている時期はどこに大作をかきおろす体力があるのだろうという細身のスタイルが印象的だったが(オスカルさまのスリーサイズは先生のそれ)、歌のために日々肥満街道ひた走り現在は立派な体格をなさっている。どどんと華やかな牡丹の花はそりゃあもう美の迫力に満ちていた。

こんな先生だが。

トークをお聞きになった方はおそらく一度は「ガク!」とするのじゃなかろうか。昔懐かしいギャグの「ぎゃふん」というのをやりたくなるような、「今の先生のおことば?」頭をごんごんやりたくなるような、ぶっちゃけトーク。ベルばらだのオル窓だのから勝手な「豪華絢爛」トークを想像しているとちょっと腰くだけになるような。

今まで一番の「今の先生のおことば?」はNHKの対談番組に出演なさったときのおばさんてやめられない〜だった。詳しいことは省略するが、「女」を捨てちゃうとなんて楽なんだろうという。ははは。先生それやっていますか。涙が出るほど笑いましたっけ。

前置きはこれぐらいにして。先生のご著書はいろいろ面白い。オススメなのがこれ。
寝てもさめても猫三昧 主婦と生活社刊
http://www.shufu.co.jp/books/00001531.html

猫派の皆様のみならず犬派も痛快に楽しめるエッセイである。犬派のはしくれとしては、先生のフィギュアスケートを思わせる華麗で流暢でダイナミックな語りに魅せられ、ついには「お猫様との生活ってなんて楽しいのでせう」と文語体で降参してしまうのがしゃくに障る。悔しいけれど先生の猫○チは度を越していて素晴らしいのだ。

だがしかし。先生、ひとつだけ思い違いをしておられます。猫の名前は本名からどんどん脱線して「あれもとの名前は何だっけ」見事なまでに変体を遂げるのに、犬のそれにはない。とお書きになっていらっしゃるが。いや、あります。うちのお姫様豆柴は「おせん」→「せんちゃん」→「せんせん」→「にせん」とそれなりの変化を遂げております。犬だってどんどん改名はする。だけど違う名前で呼ぶのはマズイ。家族の一員と思っている彼女にしてみたら他の名前で呼ばれるのは甚だプライドを傷つけられ、はたまた「ほかの子がいるの?」と勘違い悲観してしまうのだ。

だから改名するものじゃないけれど我が家では勝手にやっている。おせんも慣れたもので「あたしのことらしい」反応をするようになってしまった。

何が言いたいかというと、犬○チも猫○チと同じぐらい親馬鹿なんですよー先生!

笑って和みたい方にはオススメの一冊です。
角川文庫版「淀どの日記」をようやく見つけた。去年公開の東映映画「茶々」は残念ながら見損ねたけれど、この原作は映画公開と同時に再販されたもの。20年ぐらい前に同じ角川文庫から出たものはもっと字が小さくて、紙も粗く、繰り返し読んでいるうちに分解してしまった。再販がうれしい。

井上靖の描く女性像の面白さは、女性特有の矛盾をさらりと描くところだと思う。世の殿方の「女って奴には道理が通じない」と盛大に嘆くのとは違って、女性キャラクターが大真面目で取り組む「矛盾した行動」を絶対見落とさない情け容赦なさが小憎たらしい。

緊張する場面であればあるほど、「わけのわからない理論」は滑稽味を帯びる。初恋の人京極高次への屈折した思いや、姪の千姫への憎悪など、ぴんと張り詰めた場面であるからこそ面白い。

男性の描く女性像は往々にして受け入れがたいものがあるが井上靖の「茶々」はその容赦なさが小気味いい。汝おろかなる生き物、その名は女、と言われて腹が立たない。わたしも日常生活大真面目でわけのわからないことをやっているんだろうなと思う。
エッセイ集好き。動物写真大好き。
だから当然買いました瀬奈じゅんさんのフォト&エッセイ「日々、ことだま。」(タイトルの最後に「。」がつきます)。
http://www.hankyubooks.com/t_kageki/phot/sena_essay.html

ジェットコースター並みの速さで読み終わったものの、何度も笑いの虫に取り付かれ奥歯をかみ締め(人目があったから)たり、愛犬様の愛くるしい表情にうちの愛犬を思い出してとろ〜んとなったり忙しい読書タイムでした。

瀬奈さんの愛犬様、うちの愛犬の「おともだち」ご近所のワンちゃんにそっくりでした。アップのお顔。犬種は違いますが。

般若のようで本人(犬)はそんなつもりは毛頭なくただただ「撫でて」と訴えているだけの怖可愛いところが。

もちろん瀬奈さんの文章も小気味よく、ときにほのぼの、ときに愛くるしく甘えたでもう〜文章ごと撫で撫でしてあげたくなります。犬好きを飼い主モードに連れ去るエッセイ集かもしれない…。

「可愛い」を見つけるのが上手な方なのでしょうか。でも素直に可愛がれないタイプ、そんな自分に可愛くなーいとでも言っているかのようなジレンマがあるような。

もちろん大空祐飛さんの「可愛い」はちゃんとツボを抑えて書いてくださってファンの端くれとしては感謝するばかりです。音楽学校時代のエピソードはいくつか拝読、拝聴する機会がございましたが今回もツボを押してくださって涙が止まりません、おかしすぎて。可愛い失敗をたくさん重ねていただろう若々しいお嬢さん時代…いまもだけど、そんなお2人におばさんは目を細めている次第です

しかしなんと言ってもストライク・ゾーン直球勝負だったのが同じく同期生貴城けいさんの迷言のひとつでした。ああわかるこれ…。

目先にある大変な試練。テストとか資格試験とかインストラクターデビューとか、大きな山を目の前にしたときの不安。

わたしってちゃんと■日に○△★※できるんだろうか?!

ひとりで勝手に目の前の壁を大きく大きくして小パニックに陥っている状態。あとで考えればなんだたいしたことなかったじゃん、あんなに怖がることなかったじゃないわたし。

でもそのときの自分は人生最大の山場にいる不安でおかしくなりそうな気持ち。誰だって人生に一度や二度は経験するけれど、それを上手く言葉にするのは難しい。わたしだったら…

「なんでこんなこと引き受けちゃったんだろう。」こんなものです精一杯で。

そこが舞台人貴城けい選ぶ言葉が違う。あなた天才。いつか使わせてもらいますわ「○○で死ぬ」。

というわけで同期トリオのくだりで一番うけてしまったのは貴城けいさんの迷言でした。
カイました カイ君の写真集「しゃべる犬カイくんのひとりごと」
見つけた見つけたやっと見つけた。

ソフトバンクモバイル ホワイト家族24
 http://mb.softbank.jp/mb/special/TheWhites/
CMでおなじみの「お父さん」こと北海道犬カイくんの写真集をやっと購入しました。
 出版元:株式会社ワニブックス http://www.wani.co.jp/
 参考記事:http://www.petwalker.jp/news/story.php?sNum=763

「写真集」と銘打っているけれど読んで楽しいまるでエッセイ。

中学校の先生なんですね、お父さん。
さすがは先生「お父さん」のお言葉に<しかと承りました>畏まってひれ伏したくなった(買い物はよく考えてとか)。

わたしはまったく知らなかったのですが妹が教えてくれた
CM撮影は妹ナナちゃんとのダブルキャスト。

巻末にナナちゃんもちょっとだけ登場なさいます。

女の子らしくちょっと小さい。
可愛いわ可愛いよう。

「続く」らしきお言葉で終わっているので続編期待できるのでしょうか。
出たら絶対買います。

その前にCMに登場するのかな。
お母さん役になったらどうしよう。