石田先生演出にはいろいろ無駄がある。
萎えるギャグやら落ちを狙っただけの無駄なやり取り。
過剰なギャグ演出はクオリティを落とすだけだとこれまでもさんざん批判を浴びているだろうに。

銀ちゃんでも「いいところなのに!」歯がゆくなることがしばしばしばしば…。

プロポーズを断られて逆切れした銀ちゃんが啖呵を切る迷シーン
「この背中の孤独の孤の字が見えねえか!」が代表例。

まだ舞台を観ていない人も容易に想像できるでしょうが
「孤」の文字が煌煌と輝く広い背中(もちろん銀ちゃん)には盛大に萎える。

あんな小細工をしなくても
「見えるわよっ」
小夏ちゃんの返しで「見える」はず。
ののすみちゃんですよ?見せますって演技よ。北島マヤよののすみちゃんは。

おちゃらけないと「不安」を伝えられない銀ちゃん。
それを「視覚で受け取らせる」と表現しているのかもしれないが
銀ちゃん一世一代の賭けで「背中の哀愁」に出るのは石田ワールドにはありえない技ですか?
「スターである」という何の根拠もないただの「自己暗示」だけに頼って生きている銀ちゃんがここ一番という「プロポーズ」に裸の自分をさらけ出す。
そんな行動こそに女は惚れるというのに。

「孤」の字はやりすぎだと思う。


不要なギャグは作品のクオリティを下げる一方なんだけど、
石田先生の癖、なかなか治りそうにありませんね。


さらに。変なところでツボに入ってしまう「不要アイテム」が舞台上ごろごろしているのも悪い癖。
小道具にいるんですわ。しゃれのつもりかもしれないけれど罪つくりなアイテムが。


ヤスと小夏のアパートは生活観を出すために小道具が溢れかえっています。その中でも異彩を放っているのがダイニングの「主」。


気づいた人がどれぐらいいるのでしょうか?
テープルの真ん中にアライグマのぬいぐるみに気づいてしまったわたしの悲劇誰かわかってください(涙目)

気づいてしまうととてつもなく辛い。

すぐ隣でヤスがクマちゃんのぬいぐるみを抱っこして三角座りしながら
「俺、どうしたらいいんだよ……。」
DVの果てに銀ちゃんへのどうしようもなくねじれた感情にのた打ち回っているというのに…


なぜここにラスカルがいるんですっ!


荒れ狂う家庭内暴力に胸を痛めなくちゃいけないのに。
臨月の小夏ちゃんの絶望に思いを馳せなくちゃいけないのに。

銀ちゃんが<俺を忘れるなよ>ちゃっかり置いていったのかな

撮影所で顔を合わせるたびに「あれ、可愛いだろ?ちょっと早いけど出産祝いだ。ありがたーく大切にしろ」押し付けがましく「捨てるな」アピールしたんだろうか

余計な想像が働いてしまってまあ大変。

シリアスな場面ゆえに視線の先にいる「彼」は罪つくりです。

ラスカル、存在感ありすぎ。

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