「茶々」の原作 井上靖著「淀どの日記」
2008年4月26日 書斎の世界角川文庫版「淀どの日記」をようやく見つけた。去年公開の東映映画「茶々」は残念ながら見損ねたけれど、この原作は映画公開と同時に再販されたもの。20年ぐらい前に同じ角川文庫から出たものはもっと字が小さくて、紙も粗く、繰り返し読んでいるうちに分解してしまった。再販がうれしい。
井上靖の描く女性像の面白さは、女性特有の矛盾をさらりと描くところだと思う。世の殿方の「女って奴には道理が通じない」と盛大に嘆くのとは違って、女性キャラクターが大真面目で取り組む「矛盾した行動」を絶対見落とさない情け容赦なさが小憎たらしい。
緊張する場面であればあるほど、「わけのわからない理論」は滑稽味を帯びる。初恋の人京極高次への屈折した思いや、姪の千姫への憎悪など、ぴんと張り詰めた場面であるからこそ面白い。
男性の描く女性像は往々にして受け入れがたいものがあるが井上靖の「茶々」はその容赦なさが小気味いい。汝おろかなる生き物、その名は女、と言われて腹が立たない。わたしも日常生活大真面目でわけのわからないことをやっているんだろうなと思う。
井上靖の描く女性像の面白さは、女性特有の矛盾をさらりと描くところだと思う。世の殿方の「女って奴には道理が通じない」と盛大に嘆くのとは違って、女性キャラクターが大真面目で取り組む「矛盾した行動」を絶対見落とさない情け容赦なさが小憎たらしい。
緊張する場面であればあるほど、「わけのわからない理論」は滑稽味を帯びる。初恋の人京極高次への屈折した思いや、姪の千姫への憎悪など、ぴんと張り詰めた場面であるからこそ面白い。
男性の描く女性像は往々にして受け入れがたいものがあるが井上靖の「茶々」はその容赦なさが小気味いい。汝おろかなる生き物、その名は女、と言われて腹が立たない。わたしも日常生活大真面目でわけのわからないことをやっているんだろうなと思う。
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