ドンが魅力的な理由2 宙組梅田芸術劇場公演「雨に唄えば」
2008年4月22日 SORAの世界〜観劇〜さて。
冒頭の「表」のスターである顔から一点、物語は撮影現場へ映っていく。
「大スター」が働く男であること。
「雨に唄えば」のドンが堪らなく好きになる理由はこれだ。バックステージものの成功例。
物語はサイレンスからトーキーへ移り変わるその瞬間だ。「声」を出さず口パクで演じていた俳優たちに突如突きつけられた「声の出番」。他社が先行する形でヒットさせたトーキー映画に所属映画会社も触発され、ドン、コズモはこれまでの「演技」が通用しないと認めて潔く「訓練」に本腰を入れる。もともとボードヴィルで客席を前に「踊りながら歌っていた」2人だから発声はよかったのだろう、難しい滑舌の訓練もなんとかクリア。
下積み時代の苦労がこういう形で報われてよかったね…ってお2人さん早口言葉をちゃかして踊ってます。
ところが。自分たちは何とかトーキーについていけそう、見通しが明るくなったと思ったとたんに問題発声。共演者リナがしゃべれない、しゃべれないから演技ができていないことが露呈してしまう。音と映像のリンクも上手く行かない。
「音」を入れればいいんでしょ?とただ「撮影シーンの音を収録した」だけの「トーキー」はみるも無残なお笑い映画と成り果てた。「収録した音」はただの雑音。「効果音」ってだから必要なんですねえ。
ドンは奔走した(らしい)。彼の豪邸が競売にかけられるところまで一挙に進んでしまう。途方に暮れたとき、キャシーとコズモのボケと突っ込みもとい悪ふざけが効を奏する。リナの悪声をごまかすには口パクだ、これしかない!
キャシーは愛する人のために潔くアテレコに回り、ドンはリナの大根芝居を大幅にカット、変わりに歌とダンスをこれでもか!てんこ盛りの大ミュージカルシーンに創りなおす。クラシックバレエからチャールストンまで、ジーン・ケリーのダンスキャパは底なしに広い。彼について来てしまうダンサーたちも凄い。
現実の世界で何があっても諦めず奮闘するドンは最高にイイ男だと思う。なりふり構わず、人の意見や才能もどんどん取り入れる。裏方に回るキャシーのキャリアの心配までして。キャシーも彼の奮闘を目にしているからこそあっさり了承する。いいカップル。
現実の世界で働き、ほとばしる汗が見える男がドン・ロックウッドだ。
ジーン・ケリーその人に話を戻すと、彼やフレッド・アステアを知る人たちによると2人のレッスン量は半端じゃなかったそうだ。天賦の才能を花開かせ、伝説のミュージカル俳優にしたのは地道な努力を惜しまない才能だ。スターを創るのは人間だ。
振り付けとプロデュース力もあり、ブロードウエイ・バレエの場面は契約の関係でドナルド・オコーナー(コズモ役の彼)撮影ができなくなったことから一転、ジーンの発案であの大ミュージカルシーンが生まれたそうだ。
まさに俳優ジーン・ケリーその人が活きたのがドンだったと思う。
冒頭の「表」のスターである顔から一点、物語は撮影現場へ映っていく。
「大スター」が働く男であること。
「雨に唄えば」のドンが堪らなく好きになる理由はこれだ。バックステージものの成功例。
物語はサイレンスからトーキーへ移り変わるその瞬間だ。「声」を出さず口パクで演じていた俳優たちに突如突きつけられた「声の出番」。他社が先行する形でヒットさせたトーキー映画に所属映画会社も触発され、ドン、コズモはこれまでの「演技」が通用しないと認めて潔く「訓練」に本腰を入れる。もともとボードヴィルで客席を前に「踊りながら歌っていた」2人だから発声はよかったのだろう、難しい滑舌の訓練もなんとかクリア。
下積み時代の苦労がこういう形で報われてよかったね…ってお2人さん早口言葉をちゃかして踊ってます。
ところが。自分たちは何とかトーキーについていけそう、見通しが明るくなったと思ったとたんに問題発声。共演者リナがしゃべれない、しゃべれないから演技ができていないことが露呈してしまう。音と映像のリンクも上手く行かない。
「音」を入れればいいんでしょ?とただ「撮影シーンの音を収録した」だけの「トーキー」はみるも無残なお笑い映画と成り果てた。「収録した音」はただの雑音。「効果音」ってだから必要なんですねえ。
ドンは奔走した(らしい)。彼の豪邸が競売にかけられるところまで一挙に進んでしまう。途方に暮れたとき、キャシーとコズモのボケと突っ込みもとい悪ふざけが効を奏する。リナの悪声をごまかすには口パクだ、これしかない!
キャシーは愛する人のために潔くアテレコに回り、ドンはリナの大根芝居を大幅にカット、変わりに歌とダンスをこれでもか!てんこ盛りの大ミュージカルシーンに創りなおす。クラシックバレエからチャールストンまで、ジーン・ケリーのダンスキャパは底なしに広い。彼について来てしまうダンサーたちも凄い。
現実の世界で何があっても諦めず奮闘するドンは最高にイイ男だと思う。なりふり構わず、人の意見や才能もどんどん取り入れる。裏方に回るキャシーのキャリアの心配までして。キャシーも彼の奮闘を目にしているからこそあっさり了承する。いいカップル。
現実の世界で働き、ほとばしる汗が見える男がドン・ロックウッドだ。
ジーン・ケリーその人に話を戻すと、彼やフレッド・アステアを知る人たちによると2人のレッスン量は半端じゃなかったそうだ。天賦の才能を花開かせ、伝説のミュージカル俳優にしたのは地道な努力を惜しまない才能だ。スターを創るのは人間だ。
振り付けとプロデュース力もあり、ブロードウエイ・バレエの場面は契約の関係でドナルド・オコーナー(コズモ役の彼)撮影ができなくなったことから一転、ジーンの発案であの大ミュージカルシーンが生まれたそうだ。
まさに俳優ジーン・ケリーその人が活きたのがドンだったと思う。
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