明日が休みだと言うのに。

仕事途中で帰ってしまいました。
「所長。花粉症だか蕁麻疹だかわかりませんが全身がおかしいです」
唖然と振り返った上司は、まじまじとわたしの顔を見て
「あ゛〜…できとるな(ツブツブ)」
一目で納得した様子で帰宅許可をくれさらに
「運転気をつけてな」
関西訛りが優しい上司、釘をさすのは忘れません。さすがだ。

今朝は普通に出勤しました。しかしなんだかおかしかった。花粉症で肌がぼろぼろなのはわかっていた、だけど一旦お客様や取引先からの問いあわせが入れば電話であろうが、ファックスであろうが、しゃきんとするものよ。長年仕事をしていると誰でもそうなる。

けれどけれど。始業開始して1時間もした頃だろうか。手元の「うら紙」に「かとう」「かとう」「かとう」3つの「かとう」が並んだのを見たとたんヘナヘナヘナ…座り込みたくなった。

苗字で日本一多いのは何さんだったろうか?わたしの本名でないことは確かだ。佐藤さんか田中さんか鈴木さんか。このあたりだったと思う。

「加藤さん」が全国ナンバーいくつかは知らないがベスト10には入るのだろうか。誰か教えてください。

わが部署の取引先には「加藤さん」が多い。同じA社に数人、問い合わせがあれば必ずフルネームで控える。B社にもいる。もちろんお客様だっていらっしゃる。今朝はその「加藤さん」からの電話が立て続けに入った。

「うら紙」にわたしにしかわからない達者なひらがなで「かとう」。他人には読めなくてもいい、自分が「どこの加藤さんから」を覚えているうちに清書して渡してしまえば終わり、実際3人の同僚にそれぞれ「加藤様からの伝言」は手渡したんだ。

それなのに。手渡したあと猛烈に怖くなった。本当に3人の「加藤さん」からわたしは電話を受けたのか?最初の加藤さんが誰で次はどこの加藤さんで最後はどこの加藤さんだっけ?!忙しく考えてみた。

思い出せない!!!

ちょっとーっ!大丈夫か、わたし。集中しろ集中!頭のなかで鬼の形相をしたわたしがわたしを叱りまくる。がやっぱり思い出せない。たった数分前のことです、普段だったらA社の加藤さんから○○の件で次はB社の加藤さんから所長だったと思い出せるはず…ふう。どうしようこんな調子で今日は終業まで大ミス犯さず仕事ができるのだろうか。と思ったとき。

あ、やっぱりだめだ。体の調子がますますおかしくなっているのに気がついた。お腹のあたりもなんだかかゆい。これ花粉症じゃないですよ。

「所長〜」

許可をいただき「すみません」を連発して会社を出た。車の運転は怖かったけれど駅まで走って電車に飛び乗り以前かかったことのある内科兼皮膚科を目指した。はっきり言うとこの症状が花粉症か蕁麻疹かは詳しい検査でもしない限りわからない。とりあえず今日は様子見…。読みたかったエッセイを買ってげらげら笑いながら電車で戻って恐る恐る運転をして無事帰宅。明日明後日のお休み中にちゃんと治るかな。

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